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美しい嘘 [たからづか]

ご無沙汰しております。

えーといろいろありますが、まずは。
雪組「Shall we ダンス?」「CONGRATULATIONS宝塚!!」を観て参りました。
ダブル観劇にも耐えうる非常に面白い2本立てでした。
Shall we ダンス?は、原作がよいということも大きいでしょうが、それをきちんと宝塚の脚本にして宝塚として演出した小柳先生の思い入れと、それに応えようと必死に食らいついていった雪組生の努力の賜物。
そして芝居にもショーにも言えることですが、エンターテイメントとして、また商業演劇としての成立を目指している壮さんの組をまとめるリーダーシップの賜物、と思える素晴らしいエンターテイメント作品だったと思います。
壮さん1人が目指しただけではたどり着けない場所でも、雪組全員で目指せばたどり着くことが出来る。
それは壮さんが今の雪組のトップスターになったからこそ、あの舞台を共有した全ての人が見ることの出来た場所のような気がします。
年明けからの東京公演でも、宝塚歌劇が一部のファンのためのお遊びではなく、本来は、そして本物の商業演劇であることを見せてくれることと思います。


続きまして、こちらは舞台芸術として、非常に評価の高かった「月雲の皇子」。
まずは東京公演の千秋楽、おめでとうございました。
ネタバレになるのが嫌で、ずっと感想を書ける日を待っておりました。

と言っても、私はこの作品について語れる美しい言葉を、最後まで持つことが出来ませんでした。
そのくらい、美しい物語であり、嘘であり、真実でした。
こんなに秀逸な作品を、真摯に作り上げた上田先生と珠城くん、鳳月くん、咲妃さんをはじめとする月組生に本当に感謝したいと思います。

人生において本当に大切なことは何か、人として何を求めて生きていくべきか、どう生きるべきか。
美しい言葉を紡ぐということは、真実を語ることか、それとも嘘をつくことなのか。
儚く美しい物語と力強く逞しい物語が、同時に一つのものとして存在していました。

人は、嘘をつき通すために嘘を重ねる、愚かな生き物です。
その嘘が例え幼稚なものであっても、つくべき嘘であったとしても、美しい嘘であったとしても、嘘に嘘を重ねることは、悲しさと虚しさでいっぱいになることとイコールです。

衣通姫が美しかったのは、自分を守ることをせず、真実だけを語ったから。
木梨の最期が美しかったのは、嘘をつくことを手放して、真実に目を向け、真実を語ったから。
穴穂の去り際が美しかったのは、嘘をつき続ける覚悟を決め、美しい嘘を亡き人の餞にしようとしたから。

この作品を、私はバウで2回、銀河劇場で2回観たのですが、毎回涙した台詞がありました。
咲希あかねさん扮するガウリが、物語のラストで空に向かって、目を輝かせて叫ぶ言葉。

「今は飛ぶさ、月までも!」

復讐のために涙も心も凍らせて耐えてきたことが、本当に意味があったのかを問うてしまえばそれまでのすべてが無になってしまうことに気づきながら、
本当は負けるとわかっている復讐のための戦いにも、自分に対してついてきた嘘と大王がみんなのためについてきた嘘の全てを真実にするために、自分の命を賭して悔いのない道を選ぶ。
その悲しさと虚しさを抱えた清々しいまでの潔さがこの台詞の勢いのすべてになって、キラキラした美しい瞳で毎回感情をほとばしらせたちゅーちゃんに、鉄の涙腺を誇る私が嗚咽を堪えるほど涙してしまいました。

きっと、劇場のあの空気の中でなければ感じることが出来なかった様々なふるえを、ああして感じることが出来たことに、本当に感謝しています。
すべての出演者がみんなみんな本当にキラキラ輝いていて、心からこの作品を愛していることが伝わってきて、月組生も、観客も、本当によい作品に巡り会えたなと思います。
2013年の観劇納めを、月雲の皇子で出来て本当によかった。
上田先生、月組バウチームの生徒さんたち、本当にありがとうございました。



さて、2013年の総括は、また年末にでもしたいと思います。
今年は観劇回数を数えていないので、観たものを列挙しようかと画策中。
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